大切なお墓の手入れを定期的に行うブログ:14-9-2017
あたしのパパは膵臓ガンになってしまった。
もって半年とのこと…
「なんじゃそりゃ…」
はじめて聞いたとき、あたしは全然実感がなかった。
あたしは、パパが風邪をひいた姿すら一度も見たことがなく、
「からだが丈夫なだけが自慢だ」
とパパ自身も常々言っていた。
そんなパパがガンだなんて…
あたしはママが嫌いだけど、パパは大好きだ。
あたしが高校を卒業して
芸大の写真学科に行きたいって言ったときも、
ママはつぶしがきかないと言って反対していたけど、
パパはやりたいことをやるべきだ!と賛成してくれた。
あたしにとって、パパは良き理解者だったのだ。
1日1日と、
日ごとにやつれていくパパを見て、
「もう助かる見込みはないんだな」と悟ったとき、
あたしはパパが楽しそうなところを撮影することに決めた。
バイト先のギャラリーが
14日間個展をさせてくれると言ってくれた。
あたしは、大好きなパパの写真集をつくろうと決めた。
死んでゆく人の最期を写真に撮るなんて不謹慎だ!
…という人もいるかもしれない。
でもパパは「面白そうだな」と言ってくれた。
病室で呼吸器をつけられたパパを撮影した。
パパが営んでいたうどん屋の常連客が次々と病室に訪れて、
あまり多くを話すことはできないけれど、
やさしい表情で迎えるパパを写真に撮った。
パパが亡くなって、あたしはパパの写真展を開いた。
ギャラリーに訪れたパパの常連客や弟子たちは涙を流し、
写真集をめくりながら、パパとの思い出を語ってくれた。
写真はあたしとパパとの共同作品になったと思う。
ママとの関係も少しずつよくなってきている。
あたしはパパのお子さんに生まれて、
本当に良かったと思う。